ポカポカ太陽
あったかい午後の屋上
大好きな君と二人きり。
【目を開ければ、ほら】
「いっぱい食べたー!」
「うん、お腹 パンパン」
西浦高校の昼時間は結構長い。早食いの田島は、開始の十分も満たない内に弁当が空になる。横で食べる三橋は、大食いのくせに食べるのが遅くて。いつもの事、田島は辛抱強く待つのだった。
と、漸く三橋が食べ終われば、待ってましたと田島が腕を引き教室を離れる。後方から泉が何か言ってるけど、気にしない。
そうやって、今居る屋上へと来たのだった。
「三橋、手あったかいな」
「うんっ、今日 も 元気だ、よ」
三橋の手は気温とか関係無いんだ。暑くても冷たい日もあるし、今日みたいに暖かい日もある。
だから俺は、毎日の日課に三橋の手の体温チェックを加えたんだ。俺にキンチョーとか嫌だから。
「なーんか眠くなってきたぞ」
「うおっ、俺 も 眠たい」
「まだ時間あるしさ、寝よーぜ」
「う、うん!」
最初の頃はけっこうまばらで、最近やっとかな、毎日ポカポカ元気なのは。
あったかいって、俺に安心してるって証拠でしょ?
なんかそれって嬉しいよな。
「おやすみ 田島 くん 」
「おやすみ〜」
フェンスに寄り掛かって、太陽に顔を見せない様に下を向いて。直ぐに聞こえる小さな寝息。
チョン、と体を自分の所へ倒してみた。
俺の肩に三橋の頭。
ふわふわな髪が心地良い。
なんか嬉しくて抱き付きたかったけど、起こしたらかわいそうだからそれは止めた。だから俺はギュッと目を瞑ってグッと我慢。
せっかく手に入れた安心は、ゲンミツに無くしたくないよな。
目を開ければ、ほら
繋いだ手から伝わる体温
君はすやすや夢の中。
END
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